スーさんの山ある記

自身の山歩き人生を顧みる

2014年11月 鳳凰三山(地蔵岳2764m、観音岳2840m、薬師岳2780m)

晩秋の南アルプスを堪能する

 11月後半の連休を利用して妻がまだ登ったことのない鳳凰三山を目指した。自分は過去に二度登っているが、その時はどちらも御座石鉱泉からのコースだった。今回はまだ歩いたことのない青木鉱泉からのコースを選んだ。前日に現地入りし青木鉱泉の宿に宿泊して英気を養った。何もない山の中の一軒宿で宿泊客は殆ど居なかった。北アルプス等に比べ麓があまり観光化されていないのが南アルプスの魅力かもしれない。

1日目 青木鉱泉鳳凰小屋

 本日は鳳凰小屋まで約6時間の行程だ。14時頃には小屋に着きたい。宿で朝食を済ませた後迅速に準備を済ませ出発する。11月後半にしてはまだそれ程寒くはない。麓はまだ紅葉が残っていた。このコースは途中幾つも滝があり目を楽しませてくれるが意外とアップダウンが多いので時間が掛かる。御座石鉱泉からのコースの方が一気に上がるので効率はいい。大夫疲れが出てきたころ傾斜も緩やかになり小屋に着いた。昔ながらの小さな山小屋で夕食まではコタツを囲んで他の登山客と話が弾んだ。この日は今年最後の営業日で片付けを手伝う為に登ってきた人もいた。

                       登山口にある青木鉱泉の宿

                   麓はまだ紅葉が残っていた

          このコースは滝が多い

2日目 鳳凰小屋~地蔵岳観音岳薬師岳~青木鉱泉

 小屋のスタッフに見送られながら稜線を目指す。地蔵岳山頂付近の賽の河原には山名の由来になった地蔵が何体も並んでいる。昔子宝に恵まれない夫婦が地蔵を持って帰ったら子供が出来た。そのお礼に今度は地蔵をもう一体持って登ったと言う説がある。その風習は今でも続いているのだろうか。

 地蔵から薬師までは三山を縦走するが稜線は風が強くて冷たい。只天気は良いので場所によっては暖かさを感じる。展望も良く周りの山は全て見える。富士山が近くに見えるのも南アルプスの魅力だ。シャッターを押す回数が増える。

 稜線で景色を堪能した後、名残惜しいが下山を開始する。ここからは標高差1500mの長い下りが待っている。鬱蒼とした森の中を延々と下る。足元には笹が密生している。ひっそりとして気持ちの落ち着くところでもある。この長い下りの途中で妻が膝を痛めペースが落ちた。今回は周回コースの為下山後車を置いた登山口までさらに林道を1時間程歩かねばならない。そこで自分が先に降りて車を取りに行くことにしたが、時間の効率だけを考えて山の中で別行動をするという選択は適切では無かった。でも結果オーライであって良かった。

           鳳凰小屋、昔ながらの山小屋の雰囲気がある

                             稜線に続くザレ場の道

                      稜線が近づく

         地蔵が並んだ賽の河原     背後は地蔵岳オベリスク

                               富士山と薬師岳                             

            観音岳の山頂

           富士山と薬師岳         薬師岳の山頂

                     中道の長い下り