スーさんの山ある記

自身の山歩き人生を顧みる

2017年6月 尾瀬(尾瀬ヶ原~アヤメ平)

初夏の尾瀬を堪能する

 数年前から北関東の山に目を向けるようなり、今回まだ行ったことのない尾瀬にやって来た。尾瀬と言えば「夏の思い出」の歌にもある様に初夏の水芭蕉のイメージが強くこの時期に来たが水芭蕉の最盛期はあと半月程早い方が良かったようだ。それでもまだ多くの水芭蕉や他の花たちが目を楽しませてくれた。それに尾瀬は初夏に限らずそれぞれの時期に違った魅力で楽しませてくれる。

1日目 鳩待峠~山の鼻

 この日は朝自宅を出発し戸倉でバスに乗り換え昼過ぎに尾瀬の玄関口鳩待峠に着いた。ここからは山の鼻に向けなだらかに木道を下っていく。山の鼻には3件の山小屋がある。尾瀬の山小屋は皆個室で風呂も入れる。これなら山慣れしていない人でも安心して泊まれる。実際全く登山スタイルでない宿泊者も多かった。

 夕食後小屋の外に出て附近を散策した。外に出ている人は誰一人いないが、自分は他所に泊まると必ず外の空気を吸いたくなる。小屋の人から熊が出るから注意するようにと言われた。今自分一人が別世界の空間にいることに安らぎと歓びを感じ、ここに来て良かったとつくづく思った。

          尾瀬の玄関口鳩待峠

  山の鼻までなだらかな木道が続く

尾瀬の代名詞水芭蕉

 宿泊した山小屋

             静寂な夕暮れ前の尾瀬ヶ原

2日目 山の鼻~龍宮十字路~富士見田代~アヤメ平~鳩待峠

 尾瀬ヶ原の朝は燧ヶ岳の方角から陽が登り至仏山を照らす。しばらくは延々と続く木道を朝陽に向かって歩く。陽が昇り気温が上がる頃になるとハイカーの数も増えてきた。反対方向から来る人も多い。

 今回は龍宮十字路からアヤメ平に上がり鳩待峠に降りるコースを選んだ。樹林帯の中はまだ残雪が多く歩き辛い。そう言えば昨日燧ヶ岳に登ろうとした人が雪が多く諦めたそうだ。さすがに豪雪地帯だけのことはある。

 アヤメ平では今までの登山では得られない景観に心を奪われた。実際これまで何十年と山をやって来て池塘の点在する景色を見たのは初めてだ。しばらくはここを降りたくないと思った。ここで昼食をとりゆっくり休憩した後、別れを惜しみながら鳩待峠に下山した。

 尾瀬もこれだけ広いと一度や二度来たくらいで語り尽くせるものではない。今回は次に繫がる登山となった。

               至仏山に朝陽があたる

          木道が延々と続く           池塘に写る逆さ燧ヶ岳

                       樹林帯の中はまだ残雪が多い

                アヤメ平の池塘