スーさんの山ある記

自身の山歩き人生を顧みる

2017年7月 北沢峠~甲斐駒ヶ岳2967m~黒戸尾根下山

長大な黒戸尾根を下る

 甲斐駒ヶ岳は北沢峠から登った事はあるが、まえから黒戸尾根が気になっていて一度行ってみたいと思っていた。そこで仕事を辞めて時間のできた今、思い切って行ってみることにした。

 前日に自宅を出発、芦安に車を置きバスを乗り継いで北沢峠に入った。梅雨明けまで待つことが出来ずわずかな晴れ間を見てやって来た。それでも小屋の宿泊客は10人位いた思う。

 登山基地となる北沢峠のこもれび山荘       小屋前に広がるお花畑

1日目 北沢峠~駒津峰~甲斐駒ヶ岳山頂~七丈小屋

 前回は仙水峠を経由して登ったが道が大回りになるし仙水峠までの道が岩がゴロゴロして歩き辛かった記憶があるので、今回は急登を覚悟で直接駒津峰に至るルートを選んだ。双児山までの標高差600mを登り切れば展望も開け気分も晴れる。駒津峰では自分より少し先に仙水峠経由で出発した人達と一緒になった。此方の方が距離が短い分早いかもしれない。ここでは目のまえに甲斐駒ヶ岳の迫力ある姿が見られる。

 ここから先は次第に雲が湧き出し山頂に着く頃には視界がゼロになってしまった。前回と同じパターンであるがそれでも当初の第一目標は達成した。次は黒戸尾根を無事下山することだ。

 七丈小屋までの下りは花崗岩の岩場が多い。岩の角がまるく鎖が少ないので苦労した。小屋の宿泊客は少なかった。

                     北沢峠の登山口

                         駒津峰と甲斐駒ヶ岳

   駒津峰から見た甲斐駒ヶ岳

           甲斐駒ヶ岳山頂

                           七丈小屋

                 小屋前から見た鳳凰山地蔵岳

2日目 七丈小屋~五合目小屋跡~刃渡り~笹ノ平分岐~竹宇駒ヶ岳神社

 今日の行程は長い。標高差1600m近くを下ることになる。このコースを登りで使うのはきついだろうと考え下りで使う事にしたが果たして結果はどうか。出発前に小屋の人からコースの状況は聞いておいた。五合目までは梯子が多いがここの梯子は丸太で組まれているため握ることが出来ない。しかも垂直に近い梯子もある。雨で濡れて居なくてよかった。その先の刃渡りは思ったよりも緊張感は無かった。

 ここからは森林浴をしながら樹林帯の中をひたすら下る。うんざりする頃林道に出る。ここで登山道は終わりだ。麓の尾白川渓谷に遊歩道がありそこに来ている人も多かった。吊橋を渉り竹宇駒ヶ岳神社を過ぎると広い駐車場に出た。

 だが今回はこれで終わりではない。車は芦安に置いてある。国道20号まで出てバスに乗ろうとしたが本数が少ない。そこで道の駅からタクシーに乗り芦安に戻った。夏山を下山していつも思うのは「下界は暑い」。

 今回は実質1泊2日の短い行程だったが中身の濃い充実した登山となった。初めてのコースに挑む時の緊張感と終わった時の安堵感がたまらなく心地よい。これが山を辞められない理由でもある。 

黒戸尾根は梯子が多い          甲斐駒ヶ岳を振り返る

両側の切れ落ちた刃渡り 尾白川にかかる吊橋          竹宇駒ヶ岳神社