スーさんの山ある記

自身の山歩き人生を顧みる

2017年9月 聖岳3013m、上河内岳2803m、茶臼岳2604m

やり残した南アルプス南部を登る2

 前回の南アルプス登山から3週間、再びこの地にやって来た。今回は前日の夜現地入りし臨時駐車場で車中泊した。9月の平日にしては思った以上に車が止まっていた。街灯もなく周囲は全くの闇で時々トイレに行く人のライトだけがぼんやりと光っていた。前回は悪天候で散々な目にあったがそれでも計画通りに登れたという達成感だけは残っている。前回の余韻をまだ心の中に残したまま次の登山に挑むことになった。

1日目 聖沢登山口~滝見台~聖平小屋

 翌朝、臨時駐車場前から予約しておいたリムジンバスに乗り聖沢登山口で降りた。ちなみにこのリムジンバスは宿泊先の山小屋によって2系統のバスが運行している。前回乗ったバスとは運営会社が違う。

 今回は朝から眩しいほどの快晴だ。山の上も天気がいいことを祈った。このコースは殆どを沢沿いに歩くため吊橋が多い。変化があって面白いコースだ。沢の音とセミの声が山に響き渡る。まだ夏山は終わっていない。

 コースが平坦になってくると山小屋が近い。小屋に着くとスタッフが気持ちよく出迎えて名物のフルーツポンチを振る舞ってくれた。夕食まではのんびりと散策したりして過ごした。

 ところで他の山小屋では寝具は毛布と布団が有るがここでは薄いシュラフだけだった。自分の物は自分で用意する。これが本来の山小屋の姿だろう。

             聖沢登山口

    聖沢コースは吊橋が多い

               滝見台から見下ろす

               聖平小屋とキャンプ地

2日目 聖平小屋~前聖岳聖岳~奥聖岳(ピストン)

 朝3時に部屋の照明が点灯した。殆んどの登山者はすぐに起きて準備をしているが自分はまだ寝ていた。何しろ今日の予定は奥聖岳まで往復するだけだ。働いていた頃は短い休みを有効に使おうと欲張りな計画を立てたが今は時間が充分ある。山に来た時くらいゆっくり休みたい。

 小屋の外でお湯を沸かして朝食を食べた。外はかなり冷える。温度計の表示は7℃だった。出発して歩いていると気温はどんどん上がってくる。休憩のたびに1枚ずつ脱いだ。山頂直下は砂礫の急斜面で何度も休憩した。山頂に着いた時は他の登山者は居なかった。皆朝早く登り行ってしまった後だろうか。前回の登山とは打って変わり素晴らしい好天に恵まれた。前回霧の中何も見えずに歩いた稜線や山の地形が今ははっきり見渡せる。あんなところを歩いたのかと言う気分になる。

 奥聖岳にも足を延ばしたがここも静かだ。しばらくは何も考えずにぼーっとしていた。聖岳に戻った時には数名の登山者がいた。少し話し込んでから下山開始した。時計を見ると2時間近く上にいたようだ。この日もう一晩同じ小屋にお世話になった。

             主稜線の分岐(T字路)に出る

               聖平小屋を見下ろす

                        前聖岳山頂、後ろは聖岳

                    展望の良い聖岳山頂

                      奥聖岳山頂

 聖岳南側斜面

3日目 聖平小屋~上河内岳~茶臼岳~仁田池~茶臼小屋

 この日も時間は有るのでゆっくり出発した。天気は昨日よりは少し雲が多い程度で問題ない。振り返ると昨日登った聖岳がどっしりと構えて見送ってくれている。

 本日のメインである上河内岳に登った。ここも今まで登った3000m峰に負けず劣らずいい山だ。実はこの山は縦走コースから外れているため登らずに通過する人が多い。おそらく聖岳に登った人は次の百名山の光岳に向けて目もくれずに行ってしまうようだ。少しもったいない気がする。

 上河内岳を降り茶臼岳に向かう道はなだらかで歩きやすい。此方から見る上河内岳は先の尖ったいい形をしている。見る方向によってだいぶイメージが違う。

 しばらくすると畑薙への分岐を過ぎ懐かしい茶臼岳に着いた。ここは過去に2度登っているがその時はどちらも雨で今回初めて展望を得られた。

 この日は時間も有ったので仁田池まで足を延ばした後本日の宿泊先の茶臼小屋に降りた。ここも随分前に泊まったことが有るがその時は無人の避難小屋で小屋の中にテントを張って寝た。夜中かなり寒く朝起きると外は雪景色だったことがある。今は建て替えられて綺麗な山小屋になった。

 明日は懐かしいコースを降りる。今回は天気にも恵まれ無事にここまでこれたことに感謝したい。

           聖岳を振り返る

               南岳山頂からの展望

                上河内岳山頂

               上河内岳を振り返る

       茶臼岳山頂                     仁田池

                    茶臼小屋を見下ろす

4日目 茶臼小屋~横窪沢小屋~ウソッコ沢小屋~畑薙大吊橋

 今回初めて雨に降られた。樹林帯の中では多少の雨なら苦にもならない。雨音が心地よく感じる。途中2ヵ所の山小屋で休憩した。どちらも昔と同じ無人小屋だった。残った行動食と飲み物で腹拵えをした。実は畑薙登山口でリムジンバスに乗る予約をしていたが大夫時間が早いのでここで時間調整をした。

 畑薙登山口に着き屋根のある休憩所で雨具を脱いで服を乾かした。予約したバスが来て乗ると意外と登山スタイルではない一般人が多かった。彼らは何処に行ってきたのだろうか。隣の座席の人がしきりに山のことを聞いてきた。自分だけが汚れた汗臭い恰好で少し気が引ける思いがした。

               下山口の畑薙大吊橋

<script async src="https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js?client=ca-pub-4939276438118116"
     crossorigin="anonymous"></script>
<!-- 登山用品 -->
<ins class="adsbygoogle"
     style="display:block"
     data-ad-client="ca-pub-4939276438118116"
     data-ad-slot="3214169312"
     data-ad-format="auto"
     data-full-width-responsive="true"></ins>
<script>
     (adsbygoogle = window.adsbygoogle || []).push({});
</script>