スーさんの山ある記

自身の山歩き人生を顧みる

1990年8月 剱岳2999m、立山(大汝山)3015m

婚約者を迎えに山に登った

1日目 室堂~剱御前小屋~剣山荘

2日目 剣山荘~前剱~剱岳~前剱~剣山荘

3日目 剣山荘~剱御前小屋~立山~一ノ越~室堂

 夏山シーズン中にMが剣山荘でバイトをしているので、迎えに行きながら剱岳に登ることにした。実は今年10月に挙式を予定している。Mは独身最後の夏を謳歌しようと会社を辞め自由に生きている。私もあえてそれを否定しない。人間それぞれその時期に合った生き方をしたほうがいい。私もそういう生き方をしてきた。結婚したらまた気持ちを切り変えればいい。

 初日は当時の愛車ジムニーで長野県大町市まではるばるやって来た。扇沢の駐車場に車を置き、そこから乗り物を乗り継ぎ室堂に着いた。ここまでは一般の観光客がかなり多い。ここに着いたのが昼位だと思う。ここからやっと登山開始だ。剣御前小屋までの登りが思ったよりもきつかった。おそらく短時間で標高を上げすぐに登り始めたからだと思う。だがここまで登れば目指す剣山荘が見え後はなだらかに下るだけだ。剣山荘に着くと久々にMの顔を見た。またMが他のスタッフに私のことを話していたらしく皆快く迎えてくれた。夜はスタッフの部屋でゲーム等をして団欒の時を過ごした。

 2日目Mはまだ小屋の仕事が有るので一人で剣岳山頂を目指した。(それにMは既にスタッフと一緒に登っている。)単独行には慣れているので何の抵抗もない。また初めての山だと余計にわくわくする。コースの様子は詳しくは覚えていない。写真を見て思い出す程度だ。30年も前だから仕方がない。天気が良かったので山頂ではゆっくり昼寝をしてから降りた。下りのカニの横ばいでは最初の一歩を踏み出すのに足の置き場が見えず緊張した。小屋に着くと遅くなったのでMが心配していた。

 3日目Mにとってはお世話になった山小屋のご主人やスタッフとのお別れの日だ。出発前小屋の前で皆で写真を撮った。そのあと自分達二人の前途を祝福するかのように明るく送り出してくれた。後ろから見送られながら少し気恥ずかしい気持ちで正面の稜線を目指した。この山小屋の体験がMの人生に貴重な1頁を残すことが出来たに違いない。稜線の剣御前小屋に着くと昨日登った剣岳とお世話になった剣山荘を振り返った。また何時かここに来たいと思うと同時に、これからの人生二人で頑張ろうと素直に思えた。この日はこの後立山から一ノ越経由で室堂に下山し、大町温泉郷で一泊してから翌日帰った。

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               これから登る剣岳(左)

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剣沢を見下ろす。正面は別山
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右奥が剣岳本峰(左)
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朝焼けと荷揚げの風景
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Mがお世話になった剣山荘のご主人とスタッフ
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昨日登った剣岳とお世話になった剣山荘を振り返る
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立山方面