スーさんの山ある記

自身の山歩き人生を顧みる

2010年7月 烏帽子岳2628m~野口五郎岳2924m

静かな裏銀座ルートを満喫する

1日目 高瀬ダム裏銀座登山口~烏帽子小屋

2日目 烏帽子小屋~三ッ岳~野口五郎岳~2833mピーク~野口五郎岳~三ッ岳~烏帽子小屋

3日目 烏帽子小屋~烏帽子岳~烏帽子小屋~裏銀座登山口~高瀬ダム

 今回は妻と休みが合わず一人で登ることになったが、代わりに専門学校生の長男が夏休みで暇そうにしていたので一緒に行くことになった。とは言え長男の目的は登山では無く釣りである。自分が山に入っている間、長男は木崎湖ユースホステルに連泊して釣りをすることにした。息子もこの年になれば親子で一緒に行動する必要もない。趣味が違うのも珍しくはない。勝手にそう考え一人で山を楽しむことにした。

 初日は標高差1300mの急登が待っている。気合を入れて挑んだ。この日は朝から暑く先が思いやられたが、登山道に入ってからは日影が多く登るにつれ身体も慣れてきた。ブナ立尾根は急登だがアップダウンが無いので、無理せずゆっくり登れば着実に高度を稼げる。思ったよりも早く小屋に着くことが出来た。今回は素泊まりで持参したレトルト食品などで夕食を済ませた。夕食後は外に出て展望を楽しみながら、明日以降の心の準備をした。

 2日目、今日の行程は長い。ピストンでまたここに戻るので余分な荷物は小屋に置いて出発した。いつもそうだが初めての山は心がワクワクする。おまけに天気も最高だ。三ッ岳への登りで振り返ると昨夜泊まった烏帽子小屋と烏帽子岳が見える。その向こうには剱立山後立山連峰の山々が立ち並ぶ。稜線には所々雪が残っていた。登るにつれ左前方に槍ヶ岳が頭を出し徐々に近づいてくる。日差しが強く皮膚がジリジリと焼けるような気がする。野口五郎小屋で日影に入って休憩した後、本日の目的地野口五郎岳山頂に着いた。遮るものは何もない360度の展望で贅沢過ぎる。只この時期にしては登山者が少ない。本日ここまで来るのに数えるほどしか人に会っていない。こんなにいい山なのにもったいない。ところでこの山は歌手の野口五郎さんの名付け親でもある。いっそテレビ番組の企画で本人が登り、山頂で歌って貰ったらどうかなどとくだらないことを考えていた。実は今回時間が有れば水晶岳まで足を延ばしたいと思ったが水晶小屋手前の2833mのピークで帰りの時間と体力を考え引き返すことにした。

 3日目、今日は下山する日だ。小屋に泊まった何人かの仲間から一緒に下山してタクシー代を割り勘で乗らないかと誘われたが、自分はまだ烏帽子岳が有るからと断った。声を掛けられるだけでも有り難い。烏帽子岳の山頂はガスが掛かっていて展望は無かった。岩の塊のような山で少し緊張が強いられた。山頂に何人かの人がいたのでシャッターを押してもらった。あとは小屋まで戻り初日に登った急なブナ立尾根を下った。この山域はまだ登って無い山も幾つかある。楽しみを後に残しまた何時かここに来ることを考えていた。

 ところで釣りをしている息子のことをすっかり忘れていた。下山してすぐにメールをした。

 

                   登山口の有る高瀬ダム

           裏銀座登山口      南沢岳~不動岳の稜線

チシマギキョウ     コマクサ      烏帽子小屋

唐沢岳~燕岳への稜線             三ッ岳

烏帽子小屋     ヒョウタン池   烏帽子岳方面を振り返る 槍が近づいてきた

       三ッ岳の雪渓       槍ヶ岳野口五郎岳    水晶岳     

野口五郎小屋   天気がいいのに雷鳥が現れた    野口五郎岳山頂

          遠くに笠ヶ岳が見える

           小屋前に咲くチシマギキョウの群落

        烏帽子岳山頂は岩のかたまり         高瀬ダムに下山した