四国の百名山二座に登る
当時勤めていた会社から勤続二十年をねぎらって3週間の休暇をもらった。そこで3週間あれば2回は山に行けるだろうと考え前半は普段行けそうもない四国の山に足を延ばすことにした。交通機関は最初飛行機+レンタカーも考えたが荷物がかなり多いため全部積んで移動できるマイカーを選んだ。そんな訳で初日は自宅のある静岡県から剣山の麓徳島県の見ノ越まで10時間かけて移動した。
剣山1955m
見ノ越の宿に前泊
剣神社~西島駅~剣山頂上~次郎笈~大剣神社~西島駅~剣神社
この山の名前を聞くと鋭く尖った険しい山を想像するが、実際はなだらかな山容を持つ山で北アルプスの剱岳とは全くイメージが違う。2000mに満たない山だが山頂部には高い木が無く広々とした笹原が広がっていて天気が良ければ大展望を楽しめる。テレビやガイドブックで見た限りこの辺の山域はこの様な素晴らしい稜線が延々と続いている。我々の静岡県では得られない景色だ。
今回は最も一般的な見ノ越からのルートを登った。天気には恵まれず雨具を着たり脱いだりの繰り返しとなったが、せっかくなので隣のピーク次郎笈まで足を延ばした。この山はルートが多く色々な楽しみ方が出来るが、自分は又来ることは多分無いだろう。地元に住む登山者が羨ましくも思えた。
登山口のある剣神社
リフトの西島駅
剣山山頂
もう一つの山頂次郎笈
石槌山1982m
麓の石槌山温泉の宿に前泊
1日目 山麓下谷駅~山頂成就駅~石槌神社中宮成就社~一軒茶屋~石槌神社~天狗岳~頂上山荘
2日目 頂上山荘~一軒茶屋~石槌神社中宮成就社~山頂成就駅~山麓下谷駅
剣山を下山後その日のうちに愛媛県の石槌山温泉に移動し翌日の登山に備えた。宿には他にも登山客が数名いて夕食時には山の話で盛り上がった。
実は以前テレビ番組で石槌山の特集をやっていて修験者が修行の鎖場を登るシーンを見たのがきっかけで、それ以来自分もぜひ一度行ってみたいと思っていた。
この山は麓から山頂までの標高差が1500mあり中腹の成就社まではロープウェイが通っている。当初自分は麓から全部歩くことを考えたが本命の鎖場での体力を温存するためロープウェイを使うことにした。他の登山者も皆ロープウェイを使っていた。
成就社から歩けば標高差も約半分で済む。只天気は前回の剣山と同様あまり芳しく無かった。最初の鎖場試し鎖では岩に苔が生えて滑りやすいので諦めた。次の一ノ鎖から三ノ鎖は予定通り登ったがさすがにザックを背負っての長い鎖場は筋肉が疲労する。それと登ることに夢中で一ノ鎖から三ノ鎖の写真を撮り忘れたのが残念だ。
石槌神社のある弥山頂上で軽く昼食を取ってから最高峰の天狗岳をめざした。ここからはナイフリッジのやせ尾根を歩くため余分な荷物は置いていくことにした。遠くから見るとかなりスリルがあるが実際に歩くとそれ程には感じない。霧で回りが見えないせいもあるが。天狗岳山頂は看板が壊れていて通り過ぎたが直ぐに気付いて引き返した。山頂には他にも登山者がいてシャッターを押してもらった。この日は弥山頂上にある山小屋に宿泊した。他に宿泊者はおらず広い部屋を一人で独占した。
翌日は同じ道を下山し前泊した麓の石槌山温泉で入浴した後、松山市内のホテルに移動した。
登山口のある石槌山温泉
山頂成就駅 石槌神社中宮成就社
試し鎖
石槌神社
最高峰の天狗岳頂上
ナイフリッジのやせ尾根
石槌神社のある弥山を望む
最高峰の天狗岳を望む 石槌神社 宿泊のできる頂上山荘
当初の大きな目標であった四国の二座を制覇した余韻に浸りながらホテルで朝食を取っていた。しばらくは窓の外をボーッと眺めていた。正面に小高い丘がありその上に松山城が見える。この日は一日市内を観光することにした。
次の日にここから静岡まで一気に帰るのはかなり厳しい。幸いなことに中間地点の大阪に息子が住んでいる。事前に連絡して泊めてもらうことにした。息子は卒業と同時に大阪に就職したので年に数回しか会っていない。近くのスーパーで買い出しをして息子の独身寮で一緒に食事をした。夜は自分で持ってきたシュラフで寝た。こういう生活が懐かしく感じた。
翌日、朝食を済ませた後すぐに出発。近くの万博記念公園を散策してから自宅に向った。これで今回の長期休暇前半の山旅は全て終わった。それにしても四国は遠い。