北アルプスのやり残した山に挑む
前述したように南、中央アルプスの主な山は大体登り終え、後は北アルプスを幾つか残すのみとなった。9年前に高瀬ダムから水晶岳を目指したが時間切れで水晶小屋の手前で引き返している。今回また同じコースで挑戦した。当面の目標は水晶岳と鷲羽岳だ。今回は日程に充分余裕がある。
1日目 高瀬ダム~烏帽子小屋
初日は高瀬ダムから懐かしいブナ立尾根を登る。標高差1300mの急登が待っているがこの日は登り切れば終わりだ。それと2回目になると気持ちに余裕ができる。車を此方に置くので今回もピストンで戻るつもりでいたが、途中で会った登山者は新穂高に降りるらしい。どうやら新穂高から松本駅に直通のバスがあるようだ。それならばバス、電車、タクシーを使って夕方には車を取りに戻れる。自分もそこまでは考えてなかった。とりあえず2日目が終わった時点で検討することにした。
スタート地点の高瀬ダム
ブナ立尾根登山口
不動岳方面の稜線 烏帽子小屋 明日登る三ッ岳方面
2日目 烏帽子小屋~三ッ岳~野口五郎岳~水晶小屋~水晶岳~水晶小屋
本日も懐かしい稜線歩きが続く。景色も9年前と変わらない。三ッ岳附近にはコマクサの群落があり心が癒される。野口五郎岳から見る槍の姿も美しく絵になる。水晶小屋へは一旦下って登り返す。小屋前には何人かの登山者が休憩していた。自分も先にチェックインして小屋の食堂で昼食にした。とりあえずここまでは来れた。午後から水晶岳を往復する。
小屋から水晶岳までは往復1時間位だ。小屋に荷物を置きカメラだけ持って出発する。道はなだらかで歩きやすいが途中梯子があった。山頂部は岩がゴロゴロ積み重なって両手を使って這い上がる。ゆっくり座れる場所はないがすぐに降りるのはもったいない。写真を撮りながら暫く景色に見入った。これで今回の最初の目標は達成した。
烏帽子小屋を振り返る ヒョウタン池 砂礫に咲くコマクサ
野口五郎岳山頂からの展望
水晶小屋
水晶岳山頂からの展望
3日目 水晶小屋~鷲羽岳~三俣山荘~三俣蓮華岳~双六岳~双六小屋
朝は大夫冷えた。本日は二つ目の目標鷲羽岳をめざす。途中で写真を撮ろうとしたらSDカードの空き容量が無くなっていた。前回撮った写真をパソコンに取り込んだ後データーを消去するのを忘れていた。そこで一枚一枚確認して消去した。とんだ誤算だった。
ワリモ岳の岩場を通過してほどなく鷲羽岳に到着した。ここから見える鷲羽池と槍ヶ岳の姿をカメラに収めるのが目標だった。暫く山頂の一角に腰を下ろしたまま動かなかった。
ところでこの後のコースだがやはり新穂高に降りることにした。ここからは距離や時間もほぼ同じだが違う道を歩く方が興味深い。それにまだ登って無い双六岳にも登れる。そこで急遽山小屋の予約を取り直し、自宅にいる妻にLINEで連絡した。今日は双六小屋に泊まる。
鷲羽岳からの下りは滑りやすい急坂が続く。逆コースはきつそうだ。下りきって少し早いが三俣山荘で昼食にした。同じコースを歩く人と休憩のたびに顔を合わす。それもまた面白い。
三俣蓮華岳の登りで振り返ると背後にどっしりと腰を下ろす鷲羽岳と赤い屋根の三俣山荘がいい被写体になる。三俣蓮華岳は12年前にも登っているがその時は雨だった。今回は天気に恵まれ有り難い。来て良かった。
双六岳に着くころには大夫雲が沸き上がり日差しも遮られるが、それでもじっと待っていると雲の切れ間から槍の穂先が顔を出す。ずっと前からこの景色が見たいと思っていた。必死にカメラに収める。
満足感に満たされながら急坂を下り双六小屋に着いた。ここは各コースの交差点でもあり小屋の中にも外にも大勢の登山者がいた。夕食後外に出ると空が真っ赤に染まるほどの夕焼けを見ることが出来た。今回の登山も明日で終わりだ。ほっとする気持ちと寂しい気持ちが入り混じっている。
鷲羽岳に続く稜線
双六岳山頂
登山者の多い双六小屋
4日目 双六小屋~鏡平~わさび平~新穂高温泉
いよいよ最後の日になった。今日は登るピークは無い。今回コース変更をしたときにもう一日延ばして笠ヶ岳に登ることも考えたが、そこまで欲張るのは贅沢過ぎる。笠ヶ岳は今後の目標として残しておきたい。ついでに登るような山ではない。
主稜線を外れ一気に下ると懐かしい鏡平に着く。ここに来るのはなんと30年ぶりだ。小屋も建て替えられて綺麗になっている。小屋ではかき氷を売っていて繁盛していた。自分はここでも撮りたい写真があった。鏡池の淵に降り槍ヶ岳と池に映る逆さ槍ヶ岳の姿にカメラを向けた。
標高が下がるにつれて気温はどんどん上がり夏の暑さが戻ってくる。同時に気持ちも現実に近づいてくる。わさび平で最後の休憩をした後緩やかな林道を歩き新穂高温泉に着いた。松本駅へ直通のバスは出た後だったので平湯温泉まで行き乗り換えた。ここのバスターミナルは最近来た様な気がした。前回は確か2年前だ。バスを待つ間足湯に浸かった。
松本から信濃大町まで電車に乗り、あとはタクシーで車を置いた七倉の駐車場まで戻った。隣の車の人は下山してくる息子を迎えに来たと言っている。地元の人らしい。荷物整理をしながら暫く話し込んだ。陽も大夫傾き暗くなりかけてきた。
この日は近くのホテルに泊まった。部屋から自宅の妻にLINEで下山報告をした。ついでに山で撮った写真を何枚か送った。今日は大阪にいる長男が婚約者を連れて帰省している。兄弟や従弟も集まって盛り上っているようだ。自分は今は何もしたくない。どうせ明日顔を見る。とりあえず今夜はゆっくり休もう。
双六小屋のテント場
鏡平を見下ろす
登山者の集う鏡平山荘
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